Aroon指標とは?アルーン指標が数えるのは日数だけで、上昇幅は見ない
「Aroon Upが100になった。新しい上昇の波が始まったのか?」
まず、Aroonが何を測っているかを見ましょう。価格がどれだけ上がったかは見ず、「前回の高値更新から何日たったか」だけを数えます。今日が直近25日の高値を更新すれば、Aroon Upは100です。新高値が前の高値を10%上回っていても、0.1%しか上回っていなくても同じです。この記事ではまず表で一度計算し、次に 1〜4 の番号を付けた実際のチャート(ビットコイン、2024年下半期)で、レンジとトレンドでそれぞれどう見えるかを確かめます。
この記事は MASQuant の「トレーディングアカデミー・テクニカル指標大全」シリーズの1本です。すべての指標の分類はテクニカル指標大全にまとめています。
ひと言でいうと
Aroon=トレンドの「鮮度」。直近の高値と安値は、何日前に出たのか?
Aroon Upが100に近いほど新高値は新しく、Aroon Downが100に近いほど新安値は新しいということです。
Aroonは冷蔵庫の食品の賞味期限のようなものです。「この高値はいつ入れたか」だけを記録し、「どれだけの量か」は記録しません。今日ついたばかりの新高値は100点、12日たつと52点、25日たっても新しいものに入れ替わらなければ0点です。だからAroonは「トレンドはまだ新鮮か」に答えるのは得意ですが、「どれだけ強く上がっているか」に答えるのには向いていません。
まず計算してみる:1日たつごとに4ポイント減る
Aroonには2本の線があり、よく使われる期間は25です。
- Aroon Up:直近25本の最高値は、何本前に出たか?
- Aroon Down:直近25本の最安値は、何本前に出たか?
計算は1行だけです。(25 − 経過した本数)÷ 25 × 100。以下はAroon Upの例です(以下は説明用の整数であり、相場データではありません)。
| 直近25本の最高値が出たのは | 計算 | Aroon Up |
|---|---|---|
| 今日 | (25 − 0)÷ 25 × 100 | 100 |
| 1本前 | (25 − 1)÷ 25 × 100 | 96 |
| 5本前 | (25 − 5)÷ 25 × 100 | 80 |
| 10本前 | (25 − 10)÷ 25 × 100 | 60 |
| 20本前 | (25 − 20)÷ 25 × 100 | 20 |
| 25本前 | (25 − 25)÷ 25 × 100 | 0 |
この表から2つのことがわかります。1つ目は、高値を更新しない限り、Aroon Upは1本ごとに決まって4ポイントずつ減ること(100 ÷ 25)。描くとまっすぐ下がる斜めの線になります。2つ目は、計算式に価格が入っていないことです。新高値が前の高値より10ドル高くても10セント高くても、計算結果は100です。
正式な計算式
よく使われるパラメーターは25です。
1 Aroon Up =(25 − 直近25本の最高値から経過した本数)÷ 25 × 100
2 Aroon Down =(25 − 直近25本の最安値から経過した本数)÷ 25 × 100
3 アルーン・オシレーター(Aroon Oscillator)= Aroon Up − Aroon Down
Aroonは Tushar Chande が1995年に発表したもので、名前はサンスクリット語に由来し、「夜明けの最初の光」という意味です。彼が探したかったのは、トレンドが始まったばかりのタイミングでした。よくある見方は、Aroon Upが70超でAroon Downが30未満なら買い優勢、その逆なら売り優勢というものです。2本の線がクロスするのは、「より新鮮なほう」が入れ替わったということです。これらは慣習的な参考ラインにすぎず、厳密な境界ではありません。
MT5にはAroonが標準搭載されていないので、カスタム指標を別途インストールする必要があります。チャートソフトによってはデフォルトの期間が25ではなく14のものもあります。プラットフォームをまたいで数値を比べる前に、期間が同じかどうかを確認しましょう。
チャートで見る:ビットコイン2024年下半期、1〜4 の順に
下のチャートは、ビットコイン(BTCUSD)の2024年7月末から2025年1月初めまでの日足で、MT5の過去の価格データから取ったものです(ビットコインは週末も価格が出るので、ここでの25本はそのまま25日です)。レンジ、上昇、高値圏での乱高下の順に進みました。7月28日から10月19日までは、終値が52,828〜68,384(始めと終わりの差はわずか0.4%)の間を行き来しました。10月20日から11月27日までは40%上昇し(68,734→96,227)、その後は高値圏での上下が続きました(終値92,035〜106,371)。

レンジでは、2本の線が何度もクロスする(2024年9月21日)。7月末から10月半ばまでのレンジで、Aroon UpとAroon Downは5回クロスしました。Aroon Upが100になったのは4回、Aroon Downも2回あります。どの100も「直近25日の高値(安値)を更新した」という意味でしかありません。いちばんわかりやすいのは9月25日で、新高値はそれまでの最高値をわずか0.11%上回っただけなのに、Aroon Upはやはり100でした。
上昇が始まって2日目には、Aroon Upは100(2024年10月21日)。この日から上昇が終わる11月27日まで、39本のローソク足すべてでAroon Upは70より上でした。順調なトレンドでは、Aroonは読みやすい指標です。新高値が次々と更新されるので、Aroon Upはずっと上に張り付いています。
最後の高値:2024年12月17日、高値108,312。このとき上昇局面はすでに終わって20日たち、価格は高値圏で上下していましたが、たまに高値を更新するだけでAroon Upはまた100に戻ります。Aroonだけを見ていると、「上昇がまだ続いている」のか「高値圏で行ったり来たりしている」のかは区別できません。
高値の後は、1日4ポイントずつ減る(2024年12月29日、52)。12月17日以降、チャートの最終日(2025年1月6日)まで高値の更新はなく、Aroon Upは100から20まで一直線に下がりました。12日たって52、20日たって20です。この間、価格は下がったり上がったりしていましたが、Aroon Upはただ暦どおりに下がっていっただけです。
これは実際の過去の値動きで、Aroonの性格を説明するためのものであり、一般法則ではありません。銘柄、時間足、期間を変えれば、数字はすべて変わります。
見えるもの・意味すること
| 見えるもの | ふつう意味すること | ただし注意 |
|---|---|---|
| Aroon Upが70より上、Aroon Downが30より下 | 最近ずっと高値を更新していて、買い優勢 | 新高値が新鮮だというだけで、大きく上がったという意味ではない(チャートの 1:新高値が0.11%上回っただけでも100) |
| Aroon Downが70より上、Aroon Upが30より下 | 最近ずっと安値を更新していて、売り優勢 | 同上。語っているのは時間で、幅ではない |
| 2本の線がクロスする | より新鮮なほうが入れ替わった | レンジでは何度もクロスする(チャートの 1 の区間では5回) |
| Aroon Upが100からまっすぐ下がる | しばらく高値を更新していない | 計算式そのものの形で、1日4ポイントずつ決まって減る。価格はまだ高値圏にあるかもしれない(チャートの 4) |
| 2本とも50より下 | 最近は高値も安値も更新していない | もみ合いでよく見られ、方向はまだはっきりしない |
実際の使い方:3つの例
例1:「トレンドの鮮度」フィルターとして
ルールは「Aroon Upが70超、Aroon Downが30未満のときだけ、トレンドフォローの手法で買う」と書けます。価格はまだ高く見えるのに、実はもう何週間も高値を更新していない、という状況を避ける助けになります。
例2:アルーン・オシレーターでどちらが優勢かを見る
Aroon UpからAroon Downを引いたもので、−100から+100の間を動きます。+50超なら買い優勢、−50未満なら売り優勢、0付近を行き来するならどちらも新鮮ではないということです。たとえば「アルーン・オシレーターが50超のときだけ買い、0未満に戻ったら決済する」というルールです。
例3:クロスのシグナルに確認を1つ加える
クロスだけを見ていると、レンジで何度も振り落とされます。「クロスの後、Aroon Upが70より上を丸5本保つこと」を加えるか、トレンドの強さを測るADXと組み合わせる方法があります(ADXの性格はADX指標とは?をご覧ください)。
3つの例はどれも同じことを受け入れる必要があります。Aroonが数えるのは日数だけ。「新高値が新鮮だ」とは教えてくれても、「その新高値に意味があるか」は教えてくれません。売買ボタンとしてより、「トレンドがまだあるか」を測るタイマーとして使うほうが向いています。
よくある誤用
1. Aroon Upが100になったら飛び乗る
100はレンジでもよく出ます。チャートの 1 の区間84本では、価格の始めと終わりの差はわずか0.4%なのに、Aroon Upは4回100になり、そのうち1回の新高値はわずか0.11%上回っただけでした。
2. まっすぐな下落を売り圧力の増加と思う
高値の後にAroon Upが1日4ポイントずつ減るのは、計算式そのものの形です。チャートの 4 の20日間、価格は下がったり上がったりしていましたが、Aroon Upはそれでもひたすら下がりました。表しているのは「どれだけ高値を更新していないか」であって、「売る人が増えている」ことではありません。
3. Aroonで上昇幅を判断する
計算式に価格は入っていません。新高値が0.11%上回っても10%上回っても、Aroon Upはどちらも100です。どれだけ上がったか、どれだけ速く上がったかを知りたいなら、価格に関係する指標を見ます。たとえばROCです(ROC(変化率)とは?をご覧ください)。
よくある質問
Aroon指標とは何ですか?
Aroon(アルーン指標)は Tushar Chande が考案したトレンド系指標で、「直近の高値・安値の更新から何本たったか」でトレンドが新鮮かどうかを判断します。Aroon UpとAroon Downはどちらも0から100の間を動き、よく使われる期間は25です。
Aroonはどう見ればいいですか?
よくある見方は、Aroon Upが70超でAroon Downが30未満なら買い優勢、その逆なら売り優勢というものです。2本の線がクロスするのは、より新鮮なほうが入れ替わったということです。レンジではクロスが非常に多くなるので、トレンドを判断するほかの条件と組み合わせるのがいちばんです。
AroonとADXの違いは?
ADXが測るのはトレンドの強さ、つまり価格が一方向にどれだけ力強く押しているかです。Aroonが測るのは時間、つまりどれだけ高値・安値を更新していないかです。片方は力を、片方は暦を見ているので、互いに補い合えます。
MT5にAroonはありますか?
MT5にはAroonが標準搭載されていないので、カスタム指標を別途インストールする必要があります。プラットフォームによってデフォルトの期間は25のことも14のこともあるので、数値を比べる前に設定が同じか確認しましょう。
まとめ
Aroonはとても単純です。数えるのは日数だけ。だから「トレンドはまだ新鮮か」については正確に語りますが、「トレンドがどれだけ強いか」については何ひとつ語りません。
ですから本当に問うべきは、あなたのエントリールールに「Aroon Upが70超」を加えたとき、減ったレンジのダマシは、余分に待つその数日に見合うか?です。この問いには、ひとつの過去の値動きでは答えられません。ルールを多くの相場でバックテストする必要があります。
まだ自分のルールがなく、指標を1つずつ組み合わせるところから始めたくない? MASQuant のストラテジージーニーなら、まず投資スタイルを1つ選ぶだけで、AIが相場を分析して銘柄を選び、候補の戦略を一度に3つ出してくれます。どれも過去のデータでバックテスト済みで、リターンと元本の最大ドローダウンを並べて確認したうえで、MT5に導入するかどうかをあなたが決めます。
すでに自分のアイデアがあるなら、条件を1つの文にまとめて、たとえば「Aroon Upが70超、Aroon Downが30未満のときだけ買う」として、AIストラテジーアシスタントに渡し、ボタンを押せばバックテストが始まります。バックテスト環境にはスプレッド、スリッページ、市場流動性の変化、執行遅延といった実際の市場の摩擦が含まれています(使い方はAIストラテジーアシスタントの使い方をご覧ください)。さらにAroonの条件を外してもう一度実行すれば、それがどれだけ役立ったかがわかります。バックテストが教えてくれるのは「このルールが過去の相場でどうだったか」であり、将来の保証ではありません。
アイデアは、検証されて初めて戦略になる。
本文のチャートはMT5プラットフォームの過去の価格データ(日足。プラットフォームによって価格や日足の区切り方が少し異なるため、数値が完全に一致しない場合があります)から取り、指標はプログラムで標準的な計算方法に従って算出しています。例に使った整数は相場データではありません。過去の値動きは指標の性格を説明するためだけに使っており、将来の値動きを示すものではありません。
リスク開示:CFDはハイリスクの金融商品であり、急速に資金を失う可能性があります。過去の実績は将来の結果を保証するものではなく、すべての戦略とバックテストは参考情報であり、投資助言ではありません。取引前に当社のリスク開示条項を十分にご確認ください。



