テクニカル指標大全:よく使われる49の指標を分類、各指標が何を測るかが1つの表でわかる

テクニカル指標は何百種類もあり、新しいものも次々に出てきます。でも並べてみると、ほとんどは同じいくつかの問いに、別の方法で答えているだけです:いまどちらへ向かっているか?勢いは強いか?相場はどれだけ荒いか?出来高はついてきているか?どの価格帯が重要か?

これは MASQuant の「トレーディングアカデミー・テクニカル指標大全」の総まとめページです。よく使われる49の指標を5つに分類し、それぞれが何を測るかを1文で説明し、MT5に標準搭載されているかを示しています。リンクのある指標には詳しい解説記事があり、ほかの指標もよく使われる順に追加していきます。

まず結論から

指標は多ければいいわけではありません。同じ分類の指標は同じものを測っていて、いくつ重ねても、同じことを言い方を変えて繰り返しているだけです。

まずどの問いに答えたいかを決め、その分類から1つ選び、あなたの銘柄で役に立つかをバックテストで確かめましょう。

何を知りたいかを決めてから、指標を選ぶ

どれから始めればいいかわからない?まず、どの問いに答えたいかを見てください:

知りたいこと 見る分類 わかりやすい例 初心者はまず
いま上向き?下向き? トレンド系 価格が60日線の上にあり、線も上向き → 最近は買い優勢 移動平均線
この上昇(下落)は行きすぎ? モメンタム/オシレーター系 RSIが70 → 最近の上昇の勢いがとても強い。レンジでは波の終わりであることが多いが、トレンドでは高い水準にとどまり続けることもある RSI
損切りはどれくらい離す? ボラティリティ系 ATRが1.5 → ふだんローソク足1本で約1.5揺れる。損切りをそれより近くに置くと、ふつうの値動きで簡単に刈られる ATR
この動きに出来高は伴っている? 出来高系 価格が高値を更新し、OBVも高値を更新 → 価格と出来高がそろっている。CFDではティックボリュームであることに注意 OBV
多くの人が見ている価格帯は? 価格構造系 上昇の高値と安値の間に、38.2%、50%、61.8%の押し目の水準を引く フィボナッチ・リトレースメント

組み合わせ方:ひとつの完全な例

原則は分類をまたいで組み合わせること。1つの分類から1つで十分です。RSI、KD、ウィリアムズ%Rはどれも「最近どれだけ上がったか」を測っています。3つを一緒に見ても、たいてい同時に点灯するだけです。同じことを3回言っているのと同じで、新しい情報は増えません。

よりよい組み合わせ方は、それぞれの指標に別々の問いを答えさせることです。たとえば買いのルールはこう組めます:

  • 方向(トレンド系):価格が60日線の上にあるときだけ、買いを考える。
  • タイミング(オシレーター系):RSIが30を割り、再び30を上回ったらエントリー。上昇という大きな方向の中で、押し目を1回待つ。
  • 損切り(ボラティリティ系):損切りはエントリー価格からATRの2倍下に置き、ふつうの揺れで刈られないようにする。

3つの指標がそれぞれ1つの仕事を受け持ち、重なりません。各分類がいちばん苦手な相場も覚えておきましょう:トレンド系はレンジで振り回され、オシレーター系はトレンドで張り付く。これは同じことの表と裏で、各解説記事では実際の相場で一歩ずつ示しています。

表のMT5欄の意味:標準はMT5の指標リストにそのまま入っているもの、サンプルはMT5のインストール時に付いてくるサンプル指標(ExamplesまたはFree Indicatorsフォルダ)、別途導入はカスタムインジケーターを別に入れる必要があるものです。MT5はバージョンやブローカーによって少し違うことがあるので、お使いのプラットフォームで確認してください。

1. トレンド系:いまどちらへ向かっている?

トレンド系の指標は、方向と、その方向がどれだけはっきりしているかを見るためのものです。共通する性格は遅れること。価格がしばらく動いてからでないと確認できず、方向のない相場では何度も振り回されます。

例:終値が10、11、12、13、14と続いた後、急に20へ跳ね、15、14に戻る。それでも5本移動平均線は12から14、14.8、15.2と上がり続けます。価格はもう向きを変えたのに、移動平均線はまだ上向き。これが「遅れ」です。

指標 何を測るか MT5
単純移動平均線 SMA 直近N本の終値の平均で、方向を見るのに使う。必ず価格より遅い。 標準
指数平滑移動平均線 EMA 最近の価格ほど重みを大きくした移動平均線。向きを変えるのが速く、値動きに振られやすい。 標準
加重移動平均線 WMA 重みが最新の足から過去へ直線的に小さくなる移動平均線。SMAより遅れが少ない。 標準
ハル移動平均線 HMA いくつかの加重移動平均を組み合わせて遅れを減らす。向きを変えるのがとても速く、行きすぎやすい。 別途導入
DEMA/TEMA 複数のEMAで遅れを打ち消し合う移動平均線。EMAより反応が速い。 標準
適応型移動平均 AMA/FrAMA/VIDYA 相場のボラティリティや効率に応じて、速さを自動で調整する移動平均線。 標準
MACD 2本のEMA(12、26)の差と、その差の9期間平均で、勢いの変化を見る。 標準
ADX/DMI ADXは方向を問わずトレンドの強さを測り、+DIと−DIで方向を見る。 標準
パラボリックSAR トレンドの方向へどんどん詰めていく追跡型の損切りの点。触れられると反転する。 標準
スーパートレンド ATRで価格との距離を取る追跡型の損切りライン。反転が少なく、決済が遅い。 別途導入
一目均衡表 異なる期間の高値と安値の中心から作る複数の線と雲で、レンジの中心と方向を見る。 標準
アルーン Aroon 直近の高値・安値から何本たったかで、トレンドがまだ新しいかを判断する。 別途導入
アリゲーター Alligator 前方にずらした3本の平滑移動平均線で、トレンドが展開しているかを見る。 標準

2. モメンタム/オシレーター系:上がりすぎ?

オシレーター系の指標は、最近の上げ下げの勢いや、最近のレンジの中での価格の相対的な位置を見るためのものです。共通する性格はレンジでは使いやすく、トレンドでは張り付くこと。強い相場では「買われすぎ」にずっととどまることがあります。

例:直近14本の高値が110、安値が100で、今日の終値が108なら、ウィリアムズ%Rは−20。「レンジの上から2割の位置で引けた」という意味です。上昇中は毎日高いところで引けるので、こうした指標は毎日買われすぎゾーンにいます。それは強さであって、反転とは限りません。

指標 何を測るか MT5
RSI 最近の値動きのうち、上昇がどれだけを占めるか。0〜100。 標準
KD(ストキャスティクス) 終値が最近の高低レンジのどこにあるかを、さらに平滑化したもの。 標準
ストキャスティクスRSI RSIが自分の最近の高低レンジのどこにあるか。RSIよりずっと敏感。 別途導入
ウィリアムズ%R 終値が最近の高低レンジのどこにあるかを、平滑化せずに見る。最も速く、最もうるさい。 標準
CCI 価格が平均からどれだけ離れているかを、ふつうの乖離の何倍かで表す。上限も下限もない。 標準
ROC(変化率) いまの価格がN本前と比べて何%上下したか。 サンプル
モメンタム Momentum いまの価格とN本前の価格の比。 標準
TRIX EMAで3回平滑化した後の変化率。小さな揺れを取り除いてから勢いを見る。 標準
オーサムオシレーター Awesome Oscillator 中間値の5期間平均と34期間平均の差。 標準
アルティメットオシレーター Ultimate Oscillator 3つの期間の買い圧力の比率を組み合わせ、単一期間のノイズを減らす。 サンプル
デマーカー DeMarker 直近の高値・安値が、1本前より高いか低いかを比べる。 標準
RVI(相対活力指数) 始値に対する終値の強弱を、その足の高低レンジで割り、平滑化したもの。 標準
ブルズパワー/ベアーズパワー Bulls/Bears Power 高値と安値がEMAからどれだけ離れているか。 標準

3. ボラティリティ系:相場はどれだけ荒い?

ボラティリティ系の指標は方向を教えてくれません。最近どれだけ価格が動いたかを教えてくれるだけです。いちばん役に立つのは損切りをどれだけ離すか、ポジションをどれだけの大きさにするかを決めること、そして静かな相場が荒れ始めたのを見つけることです。

例:中心線が100、ATRが1.5なら、ケルトナーチャネルは97〜103です。相場がとても静かなとき、ボリンジャーバンドはその内側に縮み、「スクイーズ」と呼ばれます。ボラティリティ系は「どれだけ荒いか」を言うだけで、どちらへ動くかは言いません。

指標 何を測るか MT5
ATR ローソク足1本あたりの平均的な真の値幅。損切り幅を決めるのによく使う。 標準
ボリンジャーバンド 移動平均線に標準偏差を足し引きしたもの。静かなときは狭く、荒いときは広がる。 標準
ケルトナーチャネル EMAにATRの倍数を足し引きしたもの。幅の変化はボリンジャーより穏やかで、ボリンジャーと一緒に見ると「スクイーズ」がわかる。 別途導入
ドンチャンチャネル Donchian 直近N本の最高値と最安値で描くチャネル。ブレイクアウトによく使う。 サンプル
標準偏差 StdDev 最近の終値がどれだけ散らばっているか。ボリンジャーバンドの幅の出どころでもある。 標準
エンベロープ Envelopes 移動平均線の上下に一定の%で描くチャネル。 標準
ボリンジャーバンド幅と%B ボリンジャーバンドがどれだけ広いかと、バンドの中での価格の位置。 別途導入
チャイキン・ボラティリティ Chaikin Volatility 高値と安値の差が、どれだけ速く変化しているか。 サンプル

4. 出来高系:出来高はついてきている?

出来高系の指標は、出来高と価格を一緒に見ます。CFDでは特に注意が必要です:MT5のCFDの多くはティックボリューム(Tick Volume)しかありません。つまり気配が何回変わったかで、実際に何ロット約定したかではありません。CFDでは、この分類の指標は相場の活発さの目安くらいにしか使えません。

例:価格は100.0から100.1とほとんど動いていないのに、出来高2,000の足がたまたま0.1高く引けただけで、OBVは2,000増えます。出来高の指標は1〜2本の出来高急増に支配されやすいので、数字より方向を見ることが大切です。

指標 何を測るか MT5
OBV(オンバランスボリューム) 終値が上がればその足の出来高を足し、下がれば引いて、1本の線に積み上げる。 標準
VWAP セッション開始から積み上げた出来高加重平均価格。セッションごとにリセットされる。 別途導入
CVD(累積出来高デルタ) 積極的な買いの出来高から積極的な売りの出来高を引いて、積み上げたもの。約定ごとの売買方向データが必要。 別途導入
A/D(アキュムレーション/ディストリビューション) 終値がその足の高低レンジのどこにあるかで出来高を振り分け、積み上げていく。 標準
MFI(マネーフローインデックス) 出来高を加えたRSI。0〜100。 標準
CMF(チャイキン・マネーフロー) 一定期間、終値の位置で振り分けた出来高の合計を、総出来高で割ったもの。 別途導入
フォースインデックス Force Index 価格の変化に出来高を掛けたもの。 標準
チャイキン・オシレーター Chaikin Oscillator A/Dラインの2本のEMAの差。 標準
出来高プロファイル Volume Profile 価格帯ごとにどれだけの出来高が積み上がったか。 別途導入
PVT(プライス・ボリューム・トレンド) 各足の騰落率に応じて出来高を積み上げる。 サンプル

5. 価格構造系:どの価格帯が重要?

この分類は指標というより、線を引いたり印を付けたりする道具に近く、多くの人が見る価格帯や主な高値・安値を見つけるのに使います。その価格帯は計算で出したもので、誰かが実際に注文を置いているわけではありません。

例:100から120まで上がった相場なら、38.2%の押し目は 120 − 20 × 0.382 ≈ 112.4、50%は110です。比率を計算しているだけで、価格がそこで止まるかどうかは別の話です。

指標 何を測るか MT5
ピボットポイント Pivot Points 前の期間の高値・安値・終値から、今期の参考価格を計算する。 サンプル
フィボナッチ・リトレースメント 上昇や下落の間に、23.6%、38.2%、50%、61.8%などの比率の水準を引く。 標準(描画ツール)
ジグザグ ZigZag 設定した幅より小さい値動きを除き、主な高値と安値だけを結ぶ。 サンプル
フラクタル Fractals 左右2本ずつがどちらも低い高値、またはどちらも高い安値に印を付ける。 標準
平均足 Heikin Ashi 平均値で描き直したローソク足。トレンドがより連続して見える。 サンプル

よくある質問

テクニカル指標は何種類ある?

よく知られたものだけで何百種類もありますが、何を測るかで分けると、おおむね5つに分類できます:トレンド、モメンタム/オシレーター、ボラティリティ、出来高、価格構造。同じ分類の指標は、同じ問いに答えています。

いちばん当たるテクニカル指標は?

どの銘柄、どの相場でも当たる指標はありません。トレンド系はレンジで振り回され、オシレーター系はトレンドで張り付きます。あなたの銘柄でどれが役に立つかは、誰かが「これが一番当たる」と言うのを聞くのではなく、バックテストで確かめる必要があります。

初心者はまずどれを学ぶべき?

各分類から1つずつ:トレンドは移動平均線、勢いはRSI、ボラティリティはATR。この3つがわかれば、ほかの指標の多くは同じ考え方のバリエーションです。EMAは重みの違う移動平均線、ウィリアムズ%RとKDは「レンジのどこで引けたか」の別の計算方法、ケルトナーとボリンジャーは別の方法で幅を測るチャネルです。

テクニカル指標は組み合わせて使える?

使えますが、分類をまたいで組み合わせるのが一番です。たとえば移動平均線で方向、RSIでタイミング、ATRで損切りを決める。同じ分類の指標を重ねても、たいてい同時に点灯するだけで、新しい情報は得られません。

MT5に標準搭載されていない指標は?

カスタムインジケーターを別に入れるか、ほかのチャートソフトで見ることができます。作者が違うカスタムインジケーターは、計算方法や初期設定が違うことがあるので、使う前に、参考にしている情報源と数値が一致するか確かめましょう。

まとめ

指標は道具であって、答えではありません。同じRSIでも、レンジでは当たり、トレンドでは張り付く。同じ移動平均線でも、トレンドでは順調、レンジでは振り回される。役に立つかどうかは、あなたの銘柄、時間足、ルール次第です。

ですから本当に問うべきは「どの指標が一番いいか」ではなく、あなたが選んだ指標で組んだルールが、あなたの銘柄で通用するか?です。この問いには、1つの表では答えられません。当社のAIストラテジーアシスタントでバックテストすればわかります。

ルールを1つの文にまとめて、たとえば「価格が50日線の上にあり、RSIが30を割ってから戻ったらエントリー、損切りはATRの2倍」として、MASQuant のAIストラテジーアシスタントに渡し、ボタンを押せばバックテストが始まります。バックテスト環境にはスプレッド、スリッページ、市場流動性の変化、執行遅延といった実際の市場の摩擦が含まれています(使い方はAIストラテジーアシスタントの使い方をご覧ください)。バックテストが教えてくれるのは「このルールが過去の相場でどうだったか」であり、将来の保証ではありません。

アイデアは、検証されて初めて戦略になる。

リスク開示:CFDはハイリスクの金融商品であり、急速に資金を失う可能性があります。過去の実績は将来の結果を保証するものではなく、すべての戦略とバックテストは参考情報であり、投資助言ではありません。取引前に当社のリスク開示条項を十分にご確認ください。

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